家事フレームワーク 「維持」フェーズについて

SEワーママです。

今回から、家事フレームワークのそれぞれのフェーズについて解説をしていきたいと思います。ドキドキ。
フェーズの特徴が分かれば、問題の切り分けが容易になってきますよ。
まずは、「維持」フェーズから。

読むのに5分かかります。

 

【要約】

  • 「維持」フェーズは、家事において一番長い時間を占め、かつ、後々の工程に対してレバレッジがきく。
  • 些細な行動過ぎて気付かない「見えない家事」に溢れているため、どんなタスクを抱えているのか誰にも見えていないことがある。
  • このフェーズを明らかにすると、可視化が進む。


【「維持」フェーズについて】

なぜ「維持」フェーズから書くかというと、家事をフレームワークに落とし込んだときに、一番"発見"が多いフェーズだと思っているから。

「維持」フェーズは、「実行=ひとまとまりの家事を実施する」フェーズと「実行判定=実行するかしないか決める」フェーズの間に位置付けます。
ようは、トイレ掃除を1回してから、次に、トイレ掃除しなきゃ!ってなるまでの間に起こる全て。

さて、問題です。

--トイレ掃除とトイレ掃除の間の期間に、何がある?

この問いに、すぐ「あれと、これと、それと…」って答えられる人は、『見えない家事(※後述)』の担い手でしょう。
「え?トイレで用を足す以外に何があるの?」と思った人も多いのでは。

住居の形態によって異なりますが、我が家ではこんなことをやっています。

  • 収納棚に積もる埃を、サッと拭く
  • ペーパーホルダーに積もる埃を、サッと拭く
  • 窓の桟に積もる埃を、サッと拭く
  • トイレの蓋に積もる埃を、サッと拭く
  • トイレの床にクイックルワイパーや掃除機をかける
  • 便器に汚れがついていたら、泡状の洗剤を吹き付けておく
  • ちょっとした汚れを洗剤+ペーパーで拭く
  • 子供の補助便座を洗剤で拭く
  • ・その洗剤の残量を気に掛ける
  • ・残り少ないペーパーを発見したら、新しいペーパーを出してペーパーホルダーに置いておく


…です。埃拭いてばっかりだな!
我が家はトイレマットやカバーなどを使っていないので、使っているご家庭はさらに手間が多いかも知れません。

だいたい、どの作業も1分はかかりません。
ひとまとまりの家事として、時間を割いて実行するほどじゃないけれど、日常の維持のためにやっています。
つまり、

 

・日常的に行う小さいメンテナンス
・備品の残量、ストック、購入スケジュールを意識する

 

それが「維持」フェーズの家事です。

 

【何がおいしいの??】

先に結論を書くと、以下。

 

  1. 次の「実行判定」や「準備」に適切な行動が取れ、後々の手間が省ける。
  2. 次の「実行」までの時間を延ばし、家族で過ごす時間、ゆっくり休む時間を生み出す。

 

本当に、本当に些細なことなんですが、支障の無い生活には欠かせません。
これね、一つ一つの時間は短いけど、やるとやらないとでは大違いなんですよ。


1について:
例えば、「維持」フェーズをこなすと、こんなことに気付くことが出来ます↓

 

  • そろそろ汚れがたまってきたな。この分だと、今週末には限界だぞ。予定立てよ。
  • 次の掃除には漂白剤も必要だな。ストックが無いから、アマゾンか…いや、今日保育園の帰りに買い物行こう。
  • ペーパーの消費が思いの外早いぞ、今週の生協で注文しないと。あれ?週末にホームセンター行くんだっけ?
  • 最近、子供が補助便座のこの部分に手をつくんだよね~、念入りに拭いておかないと。…うわっ、こんなところも汚れてるよ。

 

上記は一例ですが、こういうことに思い至らないと、いざ掃除しようと思った時に、「もっと早く掃除しておけばよかった!時間が足りない!」とか、「やり始めたのに道具が足りない!」とかのエラーが発生します。

買い出しの手間が増えるとか、どこに力を入れて実行すべきか分からないとか、そういう事も左右してきますね。


2について:
埃取りも含めたトイレ掃除が毎日出来る家庭なら問題ないんですよ。
共働き・育児中・核家族には、毎日トイレ掃除する余裕はおろか、自分がトイレに行くのすらままならないのでは?
この「維持」フェーズで短時間×こまめなメンテナンスを繰り返すことが、「実行」直後の快適な状態を延命し、次の「実行」までの時間を延ばしてくれます。


つまり、後々の工程に対して"大きなレバレッジの働くフェーズ"だと言えます。

 


【で、何が家事シェアの弊害になっているの??】

その前にまず、「見えない家事」について話を。

「見えない家事」もしくは「名もなき家事」って、聞いたことありますか?
AERA.dotの「家事育児タスク100」が話題になった頃、出てきたワードです。
ここでは、家事労働のうち、周りの人(もしかしたら本人も)が家事だと意識していないようなことで、かつ、確実に生活の維持に貢献している作業を指しています。

「名もなき家事」では、なんだか詩的過ぎるので、私はやらない人には見えないだけで、たくさん存在するし、なんなら生活のほとんどはコレが支えている家事」と呼びます。

 

例を挙げると、トイレが昨日と違ってピカピカになっていたら「トイレ掃除してくれたの?ありがとう!」となりますが、「ペーパーホルダーの埃、拭いてくれたの?ありがとう!」って言ってくれる人、いますか?
だからといって「見て!私、ペーパーホルダーの埃拭いたわよ!」ってイチイチ言うのも疲れるしね…。
(※言うのは大事です。それは情報共有なので!)
埃のように積もり積もると、「たまにそっちが気付いて洗剤くらい買ってきて!」「ペーパーが残り少ないんだから、気付いて出して!」と、『気付いてよ!爆弾』が投下され…ます。

 

「維持」フェーズは、「見えない家事」が一番多く発生するフェーズなのです。
個人的には、誰かと家事をシェアするという点において、ここが一番ストレスが多い。
なぜか?それは、このフェーズに対して、以下のような火種が潜んでいるから。

 

  • 日常的に数限りなく発生するため、負担は大きいが、ひとつひとつが小さくて貢献度が見えにくく、シェアする相手に伝わっていないことが多い。
  • 細かい作業が多すぎて、相手にシェアするのが面倒。よって、一人で担いがち。
  • 広い視野での気配り、目配りが必要とされるので、気疲れする。が、気疲れそのものは目に見えないので、これまた伝わらない。


ですね。もちろん、個人差はあると思いますが。


1分もかからなくたって、家事は家事。
このフェーズの可視化が進むと、シェア出来る家事が劇的に増えます。たとえシェアできなくても、「こういうことを、これだけやっている」ということをお互いに共有出来ることで、いざと言うときに「何やっていいか分からない!」という状況に対して、「これをやって!」という回答も示せます。

 

「維持」フェーズを明らかにするのは結構大変ですが、コツさえ踏まえれば大丈夫です。
全フェーズの解説後に、フレームワークへの落とし方を提示する予定です。


【まとめ】

日常の多くは「維持」フェーズによって成り立っているのだということを理解して欲しい。
そして、「維持」フェーズにあなたが何をしているのか/していないのかを、少しずつでいいので、相手にシェアしてみませんか?
手間はかかりますが、後からきっと効果が出てきます。

 

千里の道も一歩から。なんなら、二人で500里ずつ歩きたい。